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「アルフレドは……ずっとつらかったのだろうな。……そしてこれからもずっとつらいのだな」
「民の屍を踏みしめても、王は生きねばならない。それは王がそれだけの役目を担っておられるからだ」
ユーリアはゆっくりと顔を上げ、顔だけをクヌートの方へと振り返らせた。
前を行く兵士も、しんがりを勤めるワーカムも、黙ってクヌートの言葉を聞いていた。
「王は、民のためにあり、民のために生きてゆく。アルフレドはその道を選んだ」
「ほう。あの我が侭王子がそんな事を考えるようになったか」
不意に森から声が聞こえた。
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