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むごたらしく殺された兵士の飛び散った肉片や、元は手足であったものの惨状を見せまいとして、王女を自分の胸元でかばいながら、まだ息のある兵士への手当を命じていたクヌートは、聞こえてきた言葉に驚いて王女を見下ろした。
確かに兵士の傷は深い。
助からないだろうとクヌート自身も思っている。
クヌート自身、何百、何千という人の死に向き合ってきた。
戦場と言う名の地で。
しかし、この姫は違った。
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