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「これより実験を始める。薬物を扱うから気をつけろよ」
先生の言葉で皆が動き出す。
「奏~これとこれを混ぜるんだっけ?」
「あぁ。量に気をつけろよ。」
「おぅ!」
奏達の班は普通に進めていたが、
「かったりーめんどくせー量なんて適当でいいじゃん」
隣の班で危ない事をしていた。
そして、それは起きてしまった。
ボン!!
「キャー!!」
「危ない!!」
奏は薬品が零れやる気のなかった男にかかりそうな時、奏は咄嗟に庇った。
ジュー
「くっ!…つっ…」
「キャー!!奏君!大丈夫?!」
「そんなにひどくはない。すぐに水につけたからな。」
「保健係り早く保健室に連れて行け!!」
「は、はい!」
「奏君大丈夫?!」
「蘭大丈夫だよ。皆も怪我がないか?」
「えぇ~い!お前は自分の心配しろ!」
「卓也」
ぐい!
「ほら行くぞ」
「サンキュー。」
皆の心配の視線をあびながら二人は保健室に向かった。
その間に実験室では失敗の本の生徒がこってり叱られていたのを知ったのは二人が教室に戻ってからだった。
「奏君!大丈夫?!」
「あぁ、軽い火傷だけだったから大丈夫だよ。心配かけてごめんな。」
「本当に大丈夫?」
「あぁ。」
「良かった…」
ホッと息をはくと身体の力を抜く。
ポン
「え?」
「心配してくれてありがとうな」
フッと笑って蘭の頭を撫でる。そしてやっと蘭の顔にも笑顔が戻る。
「おーおー熱いね~」
「うるさいぞ卓也。」
「そうよ。卓也、邪魔しちゃダメでしょ?」
「もう!二人とも!からかわないでよ!」
「アハハ」
奏は左手の手の平に軽く火傷をした。幸い軽いので2週間で傷は落ち着いた。
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