夢みておやすみパーラー・ボーイ君

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 家に帰ったパーラー・ボー イ君が、お母さんに、 「ボクもカサがほしい~ん」  とせがむと、お母さんは、 「あなたカサもってるじゃな い」  と、だいぶ前に買ったの に、パーラー・ボーイ君がま だ一度も使ったことのない、 子供用のカサをゲタ箱から出 して渡しました。  パーラー・ボーイ君はよろ こんで、その日から毎日、毎 日。雨の日も晴れの日も、オ チョコになることを期待し て、カサをさし続けました。  しかし、ただ普通にさして いるだけでは、カサはめった やたらにオチョコになるもの じゃありません。  カサがなかなかオチョコに ならないまま、月日がながれ る内に、いつしかパーラー・ ボーイ君のなかでは、カサが オチョコになるということ は、ただのおもしろハプニン グから、神さまが引き起こす 不思議な現象へと昇華してい ました。  だからこそラロッカちゃん のように、みんなに優しく、 いい子のカサがオチョコにな ったのだと思い、パーラー・ ボーイ君は、いつか自分のカ サもオチョコになることを夢 みて、出来るだけいい子にし ようと心に誓いました。
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