夢みておやすみパーラー・ボーイ君

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 ある、ドシャ降りの雨の日 に、パーラー・ボーイ君がい つものようにカサをさしなが ら歩いていると、地元住民御 用達のショッピングセンター の軒下で、ラロッカちゃんが シクシクと泣いていました。  聞くと、お気に入りの花柄 カサが、買い物をしている間 に盗まれてしまったらしいの です。  パーラー・ボーイ君は“ボ クのカサを使いなよ”と、さ していたカサを差し出しまし たが、ラロッカちゃんは、 「そういう問題じゃないの よ!」と、やや八つ当たり気 味に言いました。  パーラーボーイ君からして みれば、女心は複雑すぎてお 手上げです。“じゃあね”と 立ち去ろうとするパーラー・ ボーイ君。  ラロッカちゃんは、さっき 買った、今日発売のマーガレ ット6月号がズブ濡れになる ことを恐れて、女性特有の計 算高さを発揮し、とりあえず お気に入りのカサをなくした 悲しみは棚上げにして、 「まってよ、パーラー・ボー イ君! 私もカサに入れて」  とパーラー・ボーイ君の後 を追いました。image=207317608.jpg
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