パーラー・ボーイ君 補助輪を外す

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ある日のお昼すぎ、パーラ ー・ボーイ君は自分の自転車 のわきにしゃがみ込んで、 モンキーレンチ片手に四苦八 苦していました。  最近、午後になると、ポッ プな車でアイスクリームを売 りにくる屋台がパーラー・ボ ーイ君の家の前を通りすぎま す。  パーラー・ボーイ君は、ア イスクリーム屋さんの基地が 知りたくて、毎日、自転車で 車の後を追いかけますが、1 9番ストリートを右折すると きに、補助輪が付いている と、重心を右にかけても車体 が思うように傾かず、コーナ ーをタイトに曲がり切ること が出来ません。  そのせいで、コンマ3秒ほ どロスしてしまい、先にある 信号にギリギリで引っかかっ てしまうのです。いつもその 信号でアイスクリーム屋さん の車を見失ってしまいます。  パーラー・ボーイ君は最 初、お父さんに補助輪を外し てくれるように頼みました が、お父さんは、「パーラ ー・ボーイ君は、まだ小さい からダメだよ」と言って、聞 いてくれませんでした。  しかし、ダメだと言われ て、素直にあきらめるパーラ ー・ボーイ君じゃありませ ん。それならばと、自分で補 助輪を外そうとしているので すが、なかなか上手く出来ま せん。  そこへ、友達のハインツ・ ハラルド君がやって来まし た。 ハラルド君は半年前にドイツ から引っ越してきた男の子で す。 「グーテンターク、パーラー ボーイ君。ボクがやってあげ るよ」  image=205239540.jpg
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