夢みておやすみパーラー・ボーイ君

3/7
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「パーラー・ボーイ君、何し てるの?」  そう声を掛けられて、はじ めて後ろにラロッカちゃんが 立っている事に気がつきまし た。  ラロッカちゃんは、パーラ ー・ボーイ君の友達の女の子 で、明るく、面倒見がいい性 格が特徴のハーフ・イタリア ーノです。  パーラー・ボーイ君 は、“コレ、面白いでし ょ”といった感じでアメンボ のいる水たまりに目をやりま すが、ラロッカちゃんには、 なにが面白いのかまったく理 解できません。  クビをかしげるラロッカち ゃん。そこへハラルド君が、 息を切らしながらやって来ま した。  ハラルド君は、家の中から ラロッカちゃんの姿を見つけ て走ってきたのです。 「やあ、ラロッカちゃ ん。……とパーラー・ボーイ 君。雨の中、ムシケラの観察 なんてしてないで、ボクの家 に来なよ。バンホーテンのコ コアがあるんだ」  ハラルド君がラロッカちゃ んと、ついでにパーラー・ボ ーイ君のことを家に誘ったそ の時、つよい風が吹いて、ラ ロッカちゃんのさしていたお 気に入りの花柄カサがめくれ てオチョコになりました。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!