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なんて怒りに任せて街を歩いて、やっと見つけた娘がまぁなんともいい娘だった。
まさかあっちから声を掛けられるとは思っていなかったが、外見は可愛いし素直だし驚くほど話も合う、あいつなんかより数倍いい女だ。
ざまぁ見やがれ。
もう泣いて謝ってきても許すつもりはない。
「やっほ、お待たせ」
待ち合わせの駅に彼女がやってきたのは時間の五分前だった。
俺は少し早く着すぎていたけど、待っている時間は決して苦痛でもなんでもなく、むしろ学生の頃に戻ったようなくすぐったい気分だった。
こうやって何度もデートを重ねていく。
あいつといるときに似た感覚はあっても、やっぱりドキドキの具合はまったく違う。
俺はいつの日かあいつの浮気なんてどうでもよくなっていた。
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