悪夢

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「あッ!」 その時、視界が急に狭くなり二人は地面にたたきつけられた 「う…」 「いつもならここでめがさめる。そうかな?」 「……あ、はい」 目の前には大人と茶色い物がそびえたつ 「動かないな」 「動かせますか?」 「君が動かせないなら動かないな」 「あの向こう側はどうなっているのかしりたいです」 だから君に見えないならわからないのに そう思いながら蛭孤は人を飛び越えて見に行った 「やっぱり何もないよ。真っ白だ」 「……!?そんなはずは」 佑汰は走って蛭孤の所まで向かった 「なんにもない」 だからそういってるのに 蛭孤の考えを無視してまた、佑汰は走り出した ――バン また、壁にぶつかる 「成る程」 蛭孤は悟った そとにでて、繰り返しまた、中に入ったのだと 後ろを振り返ればまた、真っ白だ 「また!何度くりかえすのだろう!!」 「君が産まれるまで…かな」 驚いた顔で佑汰が蛭孤を見る 「君は恐らくまだ産まれていない胎児なんだね」 たいじ? ……あ、そうか…… 「外の風景は想像か母親のビジョンかな」 まだ…うまれてないんだ 子宮のなかで自由がきかないんだ そうか…… わかった…   「……目覚めの時間だ」 すうっと意識がとんだ         「まさか、馬だったなんてね~」 霧霞が言った 「叩き付けられたときの傷まだ治らないの?」 ぶすっとした様子で蛭孤がこたえる 「無駄だったな」 「ホントは胎児なんかじゃなくてタヒ産だったんでしょ。悪夢が食べられなくて残念ね」 「当たり前だ思念体に夢はないから想像になるからね」 「ふふふ。それでも付き合ってあげたんでしょう?」 霧霞を一瞬見て、また、したをみる 「仕方ない。三日も続けて来られたら付き合って成仏してもらわないと」     帝都の一角にある店『銀星館』 そこには、悪夢を糧として生きる「貘」の蛭孤がいた。 現を離れ、人々は悪夢に悩まされる そして今日もまた一人、『銀星館』を訪れる―――…
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