59人が本棚に入れています
本棚に追加
あれから一週間連絡をとってない。
クラスが違うとなかなか会うって事も無くて、今までみたいに俺が会いに行くか、トモが来てくれるかしない限り、すれ違う事も無くて…
やっぱ…あの人と付き合ってんのかな…俺に告ったのは、ただの冗談かな…からかわれただけだったのかな…
校舎裏の掃除の途中、最近癖になりつつある大きなため息をつく。
「佐伯くん…今、いい?」
急に声をかけられ、振り返る。
この前トモとデートしてた先輩の親友。
トモの事か…気が重い…
「なんすか」
「突然なんだけど、私と付き合ってください!」
は??!!え?俺?
頭を深々ぶかと下げている先輩をぼーっと見る。
この人の親友がトモと付き合ってる…俺がこの人と付き合ったらトモの情報が取れる?トモに、はらいせも出来るし…
でも…
「すみません。俺、好きな人がいます。かなり絶望的だけど…
友達ってのじゃ駄目っすか?
その人の事、諦め着いたらっていうんじゃ…」
自分に都合のいい条件。俺…嫌な奴。
でも女の先輩は笑顔で「それでもいい」と言い、番号とアドを交換した。
最初のコメントを投稿しよう!