点滴

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彼の腕を縛り上げ、柔らかな白い肌を叩き、赤みを増し、熱を持ったそこに、冷たい液体を塗りつける。 拳を作ってはいるが、観念したのか、彼は顔を反らし、こちらを見ようとはしない。 「…初めは痛いけど、ちゃんと入れば痛くないから。」 気休を言う俺の声は、彼に届いているのか…彼の細部に硬く鋭いモノを挿し入れる。 うまく入らなかったのか、彼が『うっ』とうめき声を上げるが、俺はそんな事に構わず、ぐっと奥まで差し入れた。 彼の血を見、僅かに興奮を覚える。 入れた直後ほどの痛みは無いのか、彼は声を上げず、眉間にしわを寄せたまま、じっと痛みに耐えている。 繋がった部分を指で探り、確かに貫いている事を確認する。 あえて言葉などかけず、繋がった部分を固定する。 「…痛みが酷かったら、言ってください。すぐ抜きますから。」 そう言うと、器具の速度を確認し、見しらぬ男達がいる部屋に彼を残し、立ち去る。
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