点滴

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動きを止め、固定を外し、彼の内から器具を抜き出す。 器具を片付け、彼の躰を拭き、手当てをする。 「…なるべくじっとして、動かすと酷くなるから。」 傷口に触れないように服を着せる。 彼を帰したくないと思うが、自分には彼を引き止める理由がない。 「…気を付けて…」 感情を込めず彼に言う。 彼が俺をじっと悲しげに見つめ、目を伏せる。 「…はぃ。」 小さく返事をし、彼が部屋を出ていく。 【終】
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