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会社の飲み会。
正直…どうでも良かったが、タダ酒なら、壊れるくらい呑んでやろうと、チャンポンも関係無く、来る酒来る酒を全部飲み干した。が、呑んでも呑んでも酔えない。
それどころか、彼の事が頭からますます離れなくて、またどんどん呑む。
記憶にあるのは……暴れて…壊して…吐いて…店から出されて………
気がつくと、白い天井。家では無い事は分る。
ぼやける頭、体もだるい。
頭だけ動かそし、周りを見る。
白い壁に窓らしきカーテン。クリーム色のカーテンのような仕切りに、頭?
ベッドに俯して誰かが寝てる。
「あ、あの…すみません…」
誰か分らないが、体が動かないのと、ここがどこかと言うのが聞きたくて、声をかける。
頭がもぞっと動き、上がって行く。
……な、なんで???なんで彼が???
「良かった。目が醒めて。急性アルコール中毒で死んでしまうかと思いましたよ。」
なんだ?もしかして、本当に死んだ?夢?
相手が俺にニコッと微笑みかける。
「こんな奇跡もあるんですね」
その笑顔に、ボーッと見とれてしまう。
彼が立上がり、次第に彼の顔が自分に近付いて来る。
長い睫毛…唇に柔らかく、温かい感触。
割り入られたヌルッとし何かが…煙草の味がする。それが舌に絡まり、動かされる。
息が上手く出来なくて、鼻にかかった声が漏れる。
ゆっくり、その感触が遠退き、彼の顔が見える。
…………キスぅ!!!???
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