0-1.招待状

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ここはどうやら喫茶店みたいだ。私以外の他の人はコーヒーやら紅茶やらを飲んでワイワイガヤガヤやっている。 私も取り敢えずコーヒーを飲んで気持ちを落ち着かせていた。すると 「ねぇ彼女。ちょっといい?」 同じテーブルに座っていた男が声をかけてきた。男は20代中半くらいで今時の若者だった。 「何ですか」 「ここは初めてなのかな?」 男が尋ねる。 「はい」 「やっぱりなぁ。ここに初めて来る人って大体挙動不振になってるんだよな」 と男は笑顔で話している。どうやら悪い人ではなさそうだ。 「あのぅ…」 「あ、俺ケンジって言うんだ」 「ケンジさん。ここは喫茶店なんですね」 「そうだよ。午前0時からだからビックリするけどまぁ"ある"催し以外は普通の喫茶店だよ」 "ある"という言葉が妙に引っ掛かった私はもう一度聞き返した 「"ある"催し?」 と尋ねた瞬間、店の照明が全て消え、暗闇に包まれた。そしてすぐに各テーブルの中央に乗っていた蝋燭だけが灯り始めた。 「始まるぞ。百物語」 ケンジがひそひそ話で言った。 「百物語!?」 私は驚き大きな声で叫んでしまった。周りの人の視線が痛い。 「声がでかいよ」 ケンジがひそひそで怒鳴った。 「この喫茶店では週一で百物語をやってるんだ。ほら静かに」 ケンジはそう言って黙り始めた。 私側から見て一番奥のテーブルの男が話始めた。 「これは私が聞いた話です…」
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