束の間の休息

5/10
前へ
/43ページ
次へ
「でもよー。朝から教会に行くんなら、わざわざ宿をとる必要なんてなかったんじゃねぇの?あそこだって教団の施設だろ。タダで泊まれるのに、もったいねー」 世界各地を旅することが多いエクソシストの為に、教団は施設の利用を無料としている。 故に、今回も教会に泊まれば宿をとる手間もお金もかからなかったのだが・・・。 「教会に泊まれば、夜遅くまで子どもたちに旅の話を聞かせろとせがまれるし、朝は早くから神父やシスターたちに雑用を山のように押し付けられる。時間があるのであれば構わないが、今回はそうはいかないからな。だから宿をとった。まぁ、タダより高いものはない。と言うことだ」 グラスを傾けながら淡々とリウォードは語る。 話ながらその状況を想像したのか、彼は少しばかり顔をひきつらせていた。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加