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「それに・・・」
「ん?」
興味津々に顔を覗き込むヴァンと対照的に視線を逸らすリウォード。
そして彼は小さく
「・・・あそこに行けば、お前は辛い思いをするだけだろう」
と呟いた。
何を言われたのか瞬時に理解できなかったヴァンは暫くの間、目をぱちくりとさせていたが、意味が分かったのかやがてその表情は満面の笑みへと変わっていく。
「なになになに?もしかしてリウォードってば俺のこと心配して、俺のためにわざわざ宿までとってくれたの??」
ニヤニヤと笑う彼に、リウォードは余計なことを言うんじゃなかった、と後悔のため息をもらした。
「・・・うるさい。お前まだ食事の途中だろ、黙って食べろ」
「はいはい、照れない照れない!俺はリウォードのそういうところ、大好きだぜ!!」
もしもヴァンに尻尾が生えていれば、彼はそれを左右に勢いよく振っていることだろう。
今の彼は主人によくなついている犬そのもののようだ。
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