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「そ、そのうち頑張る。・・・多分」
「うわー、頼りねぇ」
口元に手を置き、考えるような仕草で真剣に悩むリウォードを見て、ヴァンはまたクスリと笑う。
こうやって感情を表に出してくれると、歳相応に見えるんだけどな。と心の中で呟いて。
普段の真面目で凛々しい彼も好きだが、ヴァンはそれが時々、物悲しくもあった。
怒って、笑って、悲しんで、楽しむ。
普通の人にあるその感情をリウォードはどれほど胸の内に抑えているのだろうか。
せめて自分といる時間はありのままの彼でいてほしい。それをヴァンは願ってやまない。
「お客様、大変お待たせいたしました」
その言葉で思考の淵から瞬時に引きずりだされたヴァンはウエイトレスにニコリと微笑んだ。
「ありがと!適当に置いといてもらっていい?」
かしこまりましたと応えると、ウエイトレスは次から次に運ばれてくるデザートを綺麗にテーブルに並べていく。
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