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全ての皿を運び終えた彼女は伝票をテーブルへ置き、お辞儀をするとキッチンへと帰っていった。
「うわ~・・・。見てるだけで胸焼けしそう」
デザートで埋め尽くされたテーブルを見て、いつもと同じ言葉を呟く。
「それじゃ、いただきます」
そんなヴァンを尻目にリウォードはフォークを持ち、ひとつ目の皿へと手を伸ばした。
数分後には皿が何枚も積み重なっていた。
綺麗に上品に、しかし確実にデザートを食べ進めるリウォードを見て、ちょっと呆れつつもヴァンは素晴らしい食べっぷりに何時もながらに関心する。
これでいて太らないのだから謎だ。
世の女性陣からしてみれば羨ましい事この上ない・・・いや、むしろ殺意が芽生えることだろう。
乙女心を傷つけると後が怖いから気をつけろよ。とヴァンは心の中で余計なエールを送るのであった。
「ご馳走さま。・・・ってなに一人でうんうん頷いてるんだ?」
満足そうな表情のリウォードだったが、直ぐ様怪訝な顔を自分の正面に座る男に向けた。
「な、何でもない!俺がおかしいのはいつもの事だから気にすんな!!」
「自分で言うのか、それ。まぁいい、明日は朝から動くから今日は早く寝る。・・・行くぞ」
口直しにお茶を一口飲むと彼は席を立ち、伝票を持ってレジへと向かった。
ヴァンはその後をはいはいと気の抜けた返事をして着いていくのだった。
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