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パラパラとページを捲る音。
サラサラと紙にペンを走らせる音。
そして僅かな息遣い。
それらが空間を支配する図書館にリウォードはいた。
机に座って黙々と、凄まじいスピードで本を読む彼の周りには、数えきれない程の本が堆く積み上げられている。
彼がこの図書館を訪れたのは早朝、太陽が東の空にその姿を全て出し終え、空気がほんのりと暖かくなった頃であった。
あまりに早すぎては教会の人々に申し訳ないし、遅すぎれば時間が勿体無い。
更に子供やシスター達に捕まってしまう可能性もある。
それを計算した上で、人々が一番忙しい時間を狙ってリウォードは教会を訪れたのであった。
そのお陰で誰にも邪魔をされることなく読書に集中することが出来たのだ。
気がつけば太陽は天高く上り詰め、大地に力一杯その光を降り注いでいた。
「・・・はてさて、調べものは進んでおるかな?」
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