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血
掬っても掬っても
零れ落ちてゆく
滑り落ちてゆく
この掌に残ったものは
たった一雫。
吹けば散るような
今にも消えてしまいそうな
ほんの一雫だけ。
裏切りを許せる程
俺は寛大な男でもなくて
そんなにオトナでもなく
割り切ることもできゃあしない。
無償の愛なんて
初めから持ちあわせちゃあいない。
見返りを求めて何が悪い
なにも求めず
なにも願わず
一方的に想い続ける。
尊敬するよ。
俺にはできないことだから。
だけど
惨めだ。
もういっそ
全て壊してしまおうか
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