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掬っても掬っても 零れ落ちてゆく 滑り落ちてゆく   この掌に残ったものは たった一雫。   吹けば散るような 今にも消えてしまいそうな   ほんの一雫だけ。     裏切りを許せる程 俺は寛大な男でもなくて そんなにオトナでもなく 割り切ることもできゃあしない。   無償の愛なんて 初めから持ちあわせちゃあいない。   見返りを求めて何が悪い なにも求めず なにも願わず 一方的に想い続ける。   尊敬するよ。 俺にはできないことだから。   だけど   惨めだ。       もういっそ   全て壊してしまおうか
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