Venus Sensation

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2027年、春。 俺は田舎の中学からかなり離れた都会の高校に入学した。 というのも、中学時代イジメを受けていた俺は両親の勧めで田舎から離れる事になったからだ。 ウチは両親が公務員で他所よりは少し裕福な程度。 だから仕送りで1人暮らししている。 そんな両親の振る舞いに不満はない。 俺は成績、容姿、運動神経はいたって普通。 ただ、いじめの経験や経歴から少し捻くれている。 と まあ、 前置きはこんくらい。 そろそろ学校行こう。 今日は早起きをした。 入学式だし。 着慣れないスーツを着る。 この辺じゃ珍しい私服学校だから制服なる物はない。 ニュースを見ながらトーストをかじる。 優雅だ。 いつも、がさつな俺が朝ゆっくりしてるのは奇跡だ。 なぜ?時計の時刻とテレビの時刻が違っている……。 家を飛び出した。 駅までMAXでダッシュ。 なんとか電車には間に合ったが、まだ春の寒い中MAXでダッシュしたせいか、吐きそうだ。 駆け込み乗車もいいとこだ。 疲れ果てた俺を見て、20代程の女性が微笑んで、席を譲ってくれた。 感謝します。女神さま。 その時、何か伝わって来た。 トーストのカスがスーツに毀れてた。 重ね重ねありがとう。
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