第三話 選択と思惑

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煌呀が死んだ日、もう誰かが私のせいで死なない為に、私はずっとずっと、一人でいようと決めた。 また彼と出会う前に戻るだけ。 孤独でもいい。寂しくても、苦しくてもいい。 私一人の犠牲だけで済むのなら。 何年も何年も、そう思って、関わり合うことを避け続けてきた。 それなのに、どうして今になって、こんなにも一人が辛く感じるのだろう。 黒鋭の言葉がいつまでも心の奥で響いていたのは何故だろう。 それが、いけないことだと分かっているのに。 目が覚めると、柔らかな物に包まれている感触があった。暖かくて心地良いベット。 隣には、最近では見慣れた顔があった。意識が戻ったことを認識すると、ホッと息をついて笑みを零した。 「良かった。気分はどうだい?」 優しく問い掛ける黒鋭。 しかし、白雪は彼から顔を背け、その問いには答えずに自分が質問した。 「…貴方は…死にたいの?」 白雪の問いに、黒鋭は唖然として眉を寄せた。 「死にたいなんて思ってないよ」 彼の口から出た答えに、白雪はいつもより声を荒げて、叫ぶように問う。 「…っ…ならどうして傍にいるなんて……どうしてっ…」 離れようとしない? 離れずに関わり続ければ、先には無惨な死が待っている。 それを分かっていて、何故関わろうとする。 理解しがたい。 彼の言動、行動は不自然で矛盾している。 最後まで言葉を繋げられなかった白雪は、上半身を起こして、一呼吸置いた後、俯いてシーツを握り締めた。 「君は、自分と関わった人間は巧馬に殺されるから、一人でいるんだろう?」 打って変わって、穏やかな口調で黒鋭は問い掛ける。
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