Spiral

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答え方からしてこれ以上の回答は望めないと、ジェレミィは次の問いに移るよう進めた。 『最後の問いだ』 「以外に持ち数少ないんだね」 『此処まで来たのは小僧で何人目だったか。とはいえ皆喰ろうてやったがの』 からからと、先の態度はどこ吹く風、スフィンクスは嘲笑った。 そして問う。 『[朝は四本足昼は二本足、夜は三本足で歩く生き物は何]ぞや?』 ジェレミィは詰まった。 昔これと丸っきり同じ謎掛けを出された事がある。 養父は、ジェレミィが三日も悩んだこの問いを、サラリと答えてみせた。 あの時養父は、何と答えていただろうか。 思い出せない。 『どうした?答えられぬか?』 「だーっ、もう!ちょっとくらい待てよ!!」 こめかみに指を当てて考えれば、思い浮かぶのは養父の言葉。 ―――朝は這って歩くから四本足、昼は立って歩くから二本足、夜は更に杖を突くから三本足だ 「杖………杖………―――!!答えは[人間]だ!」 『ほぅ?何故?』 「[朝は赤ちゃんだからハイハイするのに四本足、昼は大人だから二本足で立って歩く、夜は爺ちゃん婆ちゃんだから杖を突いて歩く]、人間の成長を一日に擬えた問題だ!」 『成る程、では何故[人間だけなのだ?魔族も神族も、赤子は這って歩き成人は二本足で歩く]ぞえ?』 「だって、[神族や魔族は成人したら年をとらないから、杖が必要無い]でしょ?」 『その通りだ。ただの小僧だと思いきや、中々やるではないか。気に入ったぞ小僧、名を教えよ』 「ジェレミィ。ジェレミィ=マクスウェル、トレジャーハンターなんだ」 『成る程、その名は忘れぬ』 スフィンクスは器用に頬杖をつくと、空いた片方の爪で魔法陣を描き始めた。 『余が契約してやろうぞ小僧。汝が必要だと思う時に余を喚ぶがよい、我が名を寄越す故。 ―――我が名はアルウェル』 「魔族が名前を渡すのはヤバいんじゃなかったっけ?」 『小僧なら使われても良いという意味よ。小僧、汝が武器を此処へ』 アルウェルを名乗ったスフィンクスは、直径2メートル程の魔法陣を描き終えて言った。
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