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自宅に帰って僕と禮夜は驚いた。テーブルの上には学校鞄や教科書やらが置いてあった。男子の制服まで置いてある。
まさか…これはまさか?!
「お母さん…もしやと思うけど…」
「そうッ!禮夜君も葵と同じ学校にね!いつも家に居ては退屈でしょ?」
「学校?…葵、学校って何だ(ボソリ)」
「学校って言うのは勉強する所だよ。あの服着て勉強しに行くのさ」
禮夜は制服を手に取りマジマジと見ている。
「明日からは禮夜君も葵と同じ学校に行こうね!」
「……わぁー!ありがとうございますお母さん」
禮夜…すっごい棒読みだよ。
禮夜は荷物を持ってお母さんが用意した部屋に行った。
僕の隣の部屋は兄が使っていたのだが、兄が一人暮らしで家を出て行った為、空き部屋になっていた。
「学校か…俺、初めてだよ」
「そうなのかい?」
「ああ。この世に生まれて、気が付いたら忍の全てを叩き込まれてたからな」
「そうなのか…」
今の時代では忍としての生活はいらない。
何かを学んで、人の役に立つ、そんな世の中。
誰かを暗殺して、褒美を得る時代ではない。
忍の禮夜には ちょっと見回しにくい世界だけれど。
「…明日から頑張りなよ」
「何だいきなり」
「別に~?」
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