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「下手に動くな…」
首に当たっている物は、本で見た事がある短刀。このまま横に引けば、僕の首は簡単に斬れるだろう。
「わ、わかった…よ」
「それでいい」
ゆっくりと首から短刀が離れて行く。ホッとして力が抜け、その場に座り込んでしまった。
「…はぁ、あの…なんで忍者(?)がこんな家に居るんですか…」
「別に、来たくてこんな屋敷に来た訳じゃない。ある城の天井裏に忍込んで…気が付いたら此所に落ちただけだ」
「こんな屋敷で悪かったな!」
気が付いたら、僕の部屋に落ちたなんて信じられる訳が無いよね。
「君、何者?」
「……忍が簡単に名乗ると思うのか」
フン、と鼻で笑われた。凄くムカついたので、床に落ちていた洗濯挟みで鼻を挟んでやった。
忍者は痛そうにドタバタと暴れている。
「お・名・前・は?」
「ららら禮夜(ライヤ)ですぅぅぅぅぅぅう!!!」
僕は禮夜を挟んだ洗濯挟みを外してやった。
「なんだその拷問器具は!!恐るべしィイ!!!」
洗濯挟みを見て青ざめる禮夜。なんだコイツは。
やっぱり忍者…なのかなぁ…。
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