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「………ほら」
ポイッ、と目の前に投げ渡されたのはビー玉くらいの大きさの黒い玉。
なんだっけ、教科書で読んだ事があるぞ?確か忍の非常食だかなんだか。
「そいつを食えば少しは腹の足しにはなるだろ」
「禮夜…君って人は…!(感動)じゃあ、有難くいただきまーす!」
パクッ
口の中に放り込んで、カリカリの表面を噛んで柔らかくする。味が染み込んで…き……た…
「グガッ、ガッ…!!」
「?! どうした!!」
味が染み込んできたんですよ。口の中に。
「んだこりゃ…クソ苦ぇぇえ!!!」
薬よりも遥かに苦いような、この世の苦さとは思えないような。
「は?普通だろう」
「せめて…せめて鰹節の味がするとか思ってた僕が馬鹿だったよ…」
僕が苦さに悶絶していると、さっき禮夜が命令した烏が1匹戻ってきた。
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