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「じゃあ…さ、服装もそんな感じですかい?全身黒じゃないの?」
「あんな暑苦しいの、年中着ていられるか。もうあんなのを着ているのは時代遅れだけだ」
言うならば、僕の目の前にいる禮夜は時代遅れだ。かなりの。
「へ──────…」
深澤葵、17歳。見事に『忍者』と言う夢がブッ壊されました。
「なぁ」
禮夜が僕に声をかけてきた。
「お前、なんで女みたいな格好してるんだよ」
「……はぁ?」
「そんなに足出して、胸に詰め物してよ」
何を勘違いしているかこの忍者は。
「僕は女だ!!!」
「は?お前自分の事『僕』って…普通女は『私』だろう」
今時『私』言う奴の方が珍しいよ!
禮夜は僕をジロジロと見ながら
「Σぇえ、お前女か」
「女だっつってんだろーがぁぁ!!!」
超失礼!また禮夜の鼻を洗濯挟みで挟んでやった。
「いてぇぇぇえ!!わ、悪かった…悪かったァァア!!!」
「わかればよろしい」
洗濯挟みを外してやると鼻を痛そうに摩っていた。
「未来…か。元の時代に帰れない俺はどうしたらいいかな……」
「………」
なんだその目は。僕は知らないよ!親に見付かったら僕まで怒られる!
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