「お前俺んち来たら毎回ソレ聞くな。
特に報告するようなことは何もないよ」
「気になる相手も?」
「気になる相手、ねぇ……」
一口グラスに口をつけながら考えるふりをする。
「なんとなく可愛いとか、その子の笑顔見たら嬉しくなるとか。
逆に、心配だとか、ほっとけないとか、気付けばその子のこと考えているとか」
真面目な晃司が笑える。
「ハハ。
お前、乙女か?」
「ちゃかすなよ。
よーく考えてみろ。
1人くらいいないか?」
俺はフローリングに伸ばした足を片足だけ曲げてそこに頬杖する。
嫌でも浮かんでくる顔が、姿が、頭の中で輪郭を顕わにし出す。
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