「圭は久しぶりだから忘れてるのかもしれないけど、確実に落ちてる最中だね、アナタ」
「どこに?」
「恋というお部屋に」
「ハッ。
晃司、お前酔い過ぎ」
「いいか、恋の入口ってのは横にあるもんでも前にあるもんでもない。
下にあるんだよ。
その扉は自分の意志とか努力とか心構えとかとは全く関係なく開き、気付けば落ちてハマっている」
「……お前、目がすわってるんだけど」
「いいや、真剣だ。
俺は嬉しい。
お前がまた恋愛に目覚めてくれて嬉しい。
今夜は祝杯だ」
「……」
無理やり俺にグラスを持たせ、乾杯、と満面の笑みで音を立てさせる晃司。
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