卒業と始まり

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「もしかしてお父さんは大学関係のお仕事?」 「あ、……はい。 知っているんですか?」 言い当てられてびっくりした。 「私も大学で人間行動学という学問を研究していまして。 “橘”という名字に聞き覚えがあったので、もしかしてと……」 にっこりと目尻にシワを寄せて笑うケイのお父さん。 “人間行動学”……? どこかで聞いた覚えが……。 「まさかこんなに若くて可愛い子が彼女だなんて、圭も隅におけないですね」 「いえ……」 照れて笑っていると、ガチャリと玄関扉が開いた。 「橘、入っといてもよかったのに。 はい、父さん。 この本?」 「ああ、それだ。 ありがとう」
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