▼伊織x純

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「   」 声が出ない なんでかわからん 早よ呼び止めな伊織が行ってしまう 追っかけて 捕まえたいけど 足が動かん やから 声で伊織を止めな 待ってや伊織 行かんで 俺を置いて行かんでや 「ぃ…ぉ………」 そんな夢を見た 「遠い……」 「は?」 「こんなに近くにおるんに伊織が遠く感じる…」 「………気のせいやろ?俺は純くんの隣にちゃんとおるやんか」 「……………」 今は……な? 伊織は俺から離れてく 嫌でもそう思ってしまう自分がいる 何を根拠に? わからん 何もわからん ただ 何かがひっかかるだけ 「俺は…」 「?」 「純くんが遠い…」 「……………なんで?」 「何考えとるんかわからん…」 「伊織……?」 「純くん大好きや……やから…」 声が出ない 視界には伊織 そして 俺の赤 なぁ伊織 俺なんかした? いつも伊織の事想っとったで? 伊織には届かんかったん? 俺の想いは遠すぎたん? こんな近くにおったのに… 「ごめんな……純くん…」 …伊織? 伊織…何処行くん? なぁ待ってや 「   」 声が出ない あぁ… 夢と一緒や 此処に置いてかれるんやね 伊織と同じ場所には連れてってくれへんのやね 伊織が遠い 気持ちは近いのに… 「ぃ…ぉ………」 バタン… end
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