二章

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私の雰囲気を察したのか、一瞬苦笑いのような顔を浮かべたが、何かを思い出したように表情を明るく変えた。 「大丈夫。うちのナンバー2が来ればきっと楽しいっすよ!」 太陽のような笑顔を見せ、白い歯を見せ彼はそう言った。 「ナンバー……2?」 何でナンバー1じゃないんだろう。 浮かんできたのは単純な疑問。 今までのこの退屈な時間で、1番興味を引かれた言葉。 その真意を知りたくて、笑顔を浮かべたままの彼に言葉を返す。 「そうです。うちのナンバー2です」 私の質問に対する答えにはなっていないが、何故か嬉しそうに話す明。 相も変わらず頭にはてなを浮かべながら考えていると、さっきまでは子供のような無邪気な笑顔を浮かべていた明の顔が急にひきつった。 「失礼します。当店ナンバー1の咲夜です」 ……この男がナンバー1。 私は呆気に取られてしまった。 普通はホストもキャバも自分で自分のナンバーは言わない、と私は思っていた。 現に私はこの男の様な自己紹介などしたことがない。 顔には自身の表れか、今まで何人もの女を口説いてきたのだろう笑顔。 よほどの自信過剰なのか、それとも私がHeartの女王だと知っててのあてつけなのか。 先程までとは違う、嫌悪感にも似た疑問。 頭の中でそんな思考を巡らしていると、咲夜は私の言葉を待つわけでもなく、構わず隣に座ってきた。 佳奈と明の方に目をやると、何とも言えない表情になっている。 佳奈にいたっては、手をグーにし胸の前で揃え、口の動きだけでファイト、と言っているくらいだ。 ……何この空気? ナンバー1ホストなのに、この席ではまるで罰ゲームの様な空気だ。 はぁ、やっぱりもう……帰りたい。
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