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「――っはあっ、はあっ‥ふ、ッン!」
まだ呼吸すら整わない竜也の唇を塞いで、『最後のひとくち』を注いだ。
そんな趣向は持ち合わせてなかったけれど、竜也の色香が俺を狂わせる。
「…竜也、俺のも飲んでね‥」
「‥…っいい、性格してんね」
キスで膨れた竜也の紅い唇を指でなぞって、そのまま首筋、鎖骨へと這わせていく。
「今夜はおかしいみたいだ、俺‥」
這わせた掌が、胸の突起に辿り着いたとき、ここまで乱したいと思う相手を見つけた喜びを口にした。
その言葉に、竜也は妖艶すぎる笑みを浮かべた。
「あなたのモノになら、なってみてもいいかな」
言葉の真意なら、判らなかった。
だけど、
きっと長くは続かないんだろうと…
そう、思った。
手にしても、しなくても、幻だったのかと思わせるような時を迎えることを。
この儚い存在からは容易に想像ができる。
一瞬、一秒ごとに愛を注ぐことしか、
竜也には赦されない気がした―――…
「‥じゃあ、 さっきの約束を果たしてもらおうかな」
言って、先端を濡らした自分のモノに竜也の手を宛がった。
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