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「んっ…ふ…、ああっ!」
竜也が漏らす吐息ばかりで、満たされる部屋。
翻弄される頭で考えることなんて、どこにも現実味のないことばかりで。
もし叶うなら、
ずっと、ここに閉じ込めてしまいたかった。
胸元に這わせていた唇を、竜也の耳元に寄せて、鼓膜に吹き込んだのは艶声。
「…んっ、はあっ‥竜也っ…‥」
「んんっ…、」
それが竜也を煽って、その華奢なカラダを奮わせる。
先程すでに到達したばかりの自身からは、溢れる蜜が垂れ流れている。
それは竜也も同じで、もう一度触れられるのを待っているかのようで。
反り立つ自身を、竜也の剥き出しの股間にぴったりと押し付ける。
「竜也、すごい濡れてる‥感じすぎ…」
言って、互いの濡れた欲望を二本まとめにして手の中に収めた。
ゆっくりと腰を振りながら、竜也とともに快感を追う。
「あっ…! ふ…ぁ、ん…… ッ 」
くふん、と 鼻で呻く竜也の声を聞いてまた、加速度を上げる鼓動。
自慰に似たその行為に、共犯者を連れて――
擦れ合う互いの感触に、独りで行うソレとは得られない興奮に息を詰める。
「あっあっ…、これ…いい…! もっと、きつく握って、も…、んああっ…!」
竜也の言葉に、弾かれたように二つの自身を握った手に激しさを増した。
「……あッ、ああ……っ、や……ぁ」
「…はっ 、たつ‥っ、イキそ…‥っ」
激しく打ち付けた腰に、クン と体積を増した二つのソレ。
「あっ…う、も…だめ…っ、イク……!」
「‥っア―――…」
熱い白濁が竜也の腹に飛び散る、その様はどこか滑稽で。
自嘲気味な笑いなら呑み込んだ。
――挿入する気も、される気もなかった。
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