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昔、何度か整骨院にはお世話になっている。
父親が整形外科を嫌っていた為、捻挫や脱臼など、手足の骨や筋を痛めた際には必ず整骨院に連れて行かれた。
今回も、手の故障という事で、まずは整骨院・・・という判断だった。
☆
何処の病院や診療所に行っても、治療はまず、先生に自分の症状を説明することから始まる。
けど、私はこの頃まだ、自分の症状を具体的に語れるほど、把握していなかった。
というよりも、把握のしようがなかった。
気持ちの悪い違和感・・・それ以上の具体的な言葉が出なかった。
だから私は、午前中に経験した不思議でおぞましい出来事のあらましを語った。
☆
唯一、具体的に説明出来たのは、中指が反る方向に引っ張られるような感覚だった。
先生に症状を見てもらうために、スティックを握って、ベッドの角を叩き始めたとき、まず感じたのが、中指がスティックからはがれようとするチカラだ。
それから、他の指や手首にチカラが入ったまま抜けなくなり、硬直してしまう。
☆
私はそれらのことを先生に話し「これって、腱鞘炎ですかねぇ」とたずねると「いや、これは、極度の筋肉疲労だと思う」と言われた。
手が硬直するのは、手や手首の問題ではなく、もっと根本の、腕の筋肉が硬くなってる事から来るのだと。肘から手首にかけての筋肉だ。
☆
先生によると、筋肉は疲労したまま放置しておくと、乳酸がたまり、硬くなったまま戻らなくなるのだという。
だから、スポーツなどで筋肉を使った後は、コールドスプレーなどで冷やしてやる必要があるのだという。
☆
私の腕をさわって、先生は「よく凝ってますねぇ」と言った。
そして、1週間くらいドラムを叩かないようにして安静にし、その間、マッサージ等で腕の筋肉をほぐしていけば、動くようになるだろうと言われた。
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