第2話 筋肉疲労?

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「よく凝ってますねぇ」 そう言いながら、先生は私の腕に入念なマッサージを施した。 それから、電気刺激と、お湯で腕を温めるという事が行われた。 電気刺激は、経験のある人なら分かるだろうが、電極を腕の筋肉がある部分に押しつけて、低周波の電気を流すというものだ。 筋肉をリラックスさせる効果があるらしい。 電気刺激というと静電気の痛みを想像するが、それとは全く別物で、適度な電圧でかける刺激は、気持ちが良い。 ☆ しかし、お湯で温めるというのは「家でも出来るんじゃね?」っと思った。 まぁ、素人の私には分からない、難しい理論みたいなものに基づいているのだろうから、黙ってされるままにすれば良いのだろう。 帰りにはサロンパスが渡された。 ☆ 私が最初に通った山下整骨院は、肩こり持ちの母親が行きつけにしていた。   近所であり、母の紹介という事もあり、先生は親しげに話しかけてくれたし、とてもよくしてくれた。 しかし、通い始めて1週間、まったく症状改善の兆しが見えない事に漠然と不安が湧き上がってきた。 「もしかして、診断ミスってね?」 それから更に1週間、症状が改善しない事に「おかしいなあ」と首をかしげる先生、、、 不安な気持ちが爆発し、一度、別の医者に相談してみようと思った。 当時は、セカンドオピニオンなんて言葉も知らなかったし、複数の医者に受診して、それぞれの見解を冷静に比べてみる発想も無かった。 私にあったのは、「ここじゃ駄目だから、他の先生に診てもらいたい。」という気持ちだけだった。 ☆ こういう場所を訪れて、よく言われたのが「凝ってますね」というセリフ。 私には、凝っているというのがよく分からない。 治療は大概この台詞から始まって、訳知り顔でマッサージをしたり、あれこれされるが、結局治る事は無く、よく分からないまま医者を変えるというパターンが多かった。 「凝ってますね」・・・それは、こういう職業の人たちにとって、ただの挨拶なのではないか・・・そんな気がしてならない。
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