scene2 ファミレス午後3時

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「なーんて、あたしだって大したことできるわけじゃないんだけど」 俺は、自分にそんな事ができるなんてちっとも思わなかった。 「俺は出来る限り、そういう手のゴタゴタは避けたいなあ。ね、それよりさ、事件のこと、森沢さん何調べたの?」 「あたしね、実は昨日2人と話をしたの、」 「2人って・・・」 「そう長瀬さんと杉本さん。話すって言っても人間同士がするようなんじゃなくて・・・何て言うか、2人の思念をあたしが拾い上げて声を聞く。そんな感じ」 隣の客が、不思議そうに俺達を見ていた。会話が聞こえているのだ。確かに由美の話は、端から見れば、ちょっとオカシイ者の発言にしか聞こえない。話を聞いている当の俺でさえ、信じられないくらいだった。 「森沢さんちょっと声を落とそうよ」俺は由美に隣に聞こえてるぞ、と目で合図を送った。 「それで2人は何て言ったの?」 「『これは復讐だ』」 「復讐?・・・一体何の」 「あたしにもわかんない。思念を拾い上げるのって、結構時間かかるんだよね」 「じゃあ他にわかったことは?」 「『あの事件』。確かに2人はそう言った。ねえ、あたし達の学校ってなんか事件あった?」 「俺の記憶にはないなあ。ウチって大体が牧歌的な学校だよね」 「そうねえ。ただ・・・何か引っ掛かるの」 事件・・・俺は過去の記憶を辿ってみる。しかし、思考はすぐに中断された。まだ、今朝の頭痛の余韻が残っていた。
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