nightmere

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満月が蒼白く 煌々と地を照らす ゆらりとながれる 小さな川 ほとりに生える柳が さやさやと揺れる 木陰に隠れるように 佇むのは 真白の着物に身を包む 流れる黒髪の女 しとり しとりと 川面に波紋がうまれる 女の唇から微かに漏れるのは 怨嗟に掠れた忍び泣き 月が中天にかかると やがて女はふらりと 走り始めた 行き先は神社 いつの間にか 頭には鬼火を燃やし 手には 人型と金槌、5寸の釘 憎しみと狂乱を 顔に浮かべ 音一つない夜道を ひた走る
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