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「なっっちゃ~~~ん!」
突如として緑豊かな田園都市に遠吠えにも似た叫び声がこだました。
原付きバイク(カブ)で走行中の小松によるものだ。
「『なっちゃん』って誰だー?」
柔らかなクリーム色したスクーターで併走している長山が問いただした。叫んだことに関しては、なんらツッコミを入れない部分で日常的なのが伺える。
「ん? 俺の彼女」
「えっ! お前彼女いたんだ!?」
「フッ、イメェジィィだけどな」
イメージと言いたいらしい。
「妄想かよ…‥」
なんという想像力もとい妄想力……これも若人の成せる技なのだろうか。
「他にもいるぜぇ『美咲』だろ『真理』だろ『アメェンドゥァァ』だろ」
アマンダと言いたいらしい。
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