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「起立、礼」
『さようならー』
よしっ。
授業も全部終わったし、後は部活に出て帰るだけ! ……なんだけど、何か気が進まない。
因みにティーファは学校に着いてしばらくすると、鞄の中からいなくなってた。
どこで何をしてるのか……戻ってきたら問い詰めてやる。
「忍舞(しのぶ)、行くわよ」
「しーちゃん早くー」
「はいはい」
机で考え事をしてたら2人に呼ばれ、鞄に教科書を詰めて、急いで後を追う。
「なんかねぇ、今日はしーちゃんが来るからって、顧問の水戸先生まで来るみたいだよ。いっつもは来ないのにねぇ」
「来なくていいわよ。あんなおじさん」
「忍舞が来るって主将に言ったら、みっちりしごいてやるって張り切ってたわよ。そっちも覚悟しておいた方が良いんじゃない?」
「ゲ――ッ。やっぱアタシ行かない」
「ダメ。いいじゃない。めったに部活に出ないんだから、今日くらい」
「良くない」
……絶対に逃げてやる!!
“ヒュッ。―――パアンッ!”
いい音!
胴着に着替えて道場に入ると、部員が次々に的をいる音が聞こえてくる。
あれ? いつの間にか後輩が増えてる。
まぁ5月だし、一年生が増えるのは良いことよね、うん。
と、道場内を見回しているアタシを、練習中だった主将が目ざとく見つけた。
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