遠いリング

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1位に勝てば、ジャッカルが1位にランクされる。 そうなれば、もう1度世界に挑戦できる… それから2ヶ月、己の全てを駆けた、トレーニングを始めた。 輪島功一に鍛えられた以上に、走り、サンドバックを叩き、ミットを打ち、スパーリングをこなした。 そして試合当日のゴングが鳴る。 ジャッカルの相手ラウル・バルデスは、4年間、世界ランキングにランクされ続け、2度タイトルに挑戦。 1度目は引き分け、2度目は僅差の判定負けと、無冠の帝王とまで言われた、サウスポーのテクニシャンである。 ジャッカルは、果敢に攻めていった。 動き、パンチの切れともに、今までで最高の仕上がりであった。 バルデスは、ガードをガッチリ固め、ジャブをチョコチョコ出し逃げ回った。 その展開が、10ラウンドにわたって続くことになる。
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