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「私・・・死んでません!」
思いっきり叫んでしまった。
その時、あの男の子が私の服を引張り
「僕も、死んでないよね」
私は、男の子を抱き上げると顔を見つめながら
「こんな顔色の良い死人なんておらんわ。そうよ!あんたも他の人より顔色ええやん!違うやん!なあ・・・僕?私の顔色あれへん?」
「他の人より顔赤い・・・」
私は、何だかホッとした。
顔色が良いか悪いかだけで、判断する事ではないが、とにかく私は生きている。と思えたのは確かだった。
そして、この子を抱いていると温もりも感じるのも生きている証明のような気がした。
しかし、私の焦る気持ちと裏腹に、この男の人は、この世に未練も無いだろうか?
じっと腕組みをしたまま席に座っているだけだった。
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