友人からの電話

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「うん・・・九月二八日から十月の三日・・・えっ?六日間も?」 私は、結婚してからすぐに子供が出来たのでいままで子育てに追われて旅行というものをした事なかった。 それなのに、始めて行こうかと言う旅行が六日間、というのにビックリしたのだ。 それに比べて聡美は、子供が居なかった寂しさからか年に二回は御主人と外国旅行を楽しんでいた。 しかし、その旅行も東京に行ってからは行けなくなったと前に愚痴をこぼしていた。 「私も、久しぶりやねん。それに、主人が行けたとしてもディズニーランドには行くとは思わんわ。そんなタイプとはちゃうもん。解かるやろ?」 と、少し、拗ねたように言った。 又、口をとがらせて言ってるのが、目に見えるようだ。 「そうやなぁ~とにかく相談してみるわ。」 「絶対!行こうな。楽しみにしてるから!」 「うん・・・なるべく行けるように頑張るわ。」 「なるべくは、あかんねんてぇ~行けるようにご主人に私たのもか?」 聡美の甘えた攻撃が始まった。 「いや、ええわ。私が聞くから・・・じゃ明日電話するわ。その時まで待ってな。」 「うん・・・わかった。明日待ってるわ。じゃ!」 どうやら聡美は、主人が反対すると思っているようだ。 本当は私の気持ちが揺らいでいたのに気づかなかったらしい。
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