ある1日

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あなたの言葉にはきっと いちいち深い意味なんてないんだろうね だけどしょうもない一言に 救われたり 期待を持ったりしちゃうんだ 眠い目をこすりながら今日もテレビをつける あなたの好きな番組を見逃したくなくて 髪を切ったのに少しも気づいてはくれない 窓を開けて小さくため息をついた 突然の夕立を心配してたけど どうやら今日は降らないみたいね あなたの横で自然に笑う そんなことすら簡単にできない花火の日 お気に入りの浴衣を着て 靴づれしちゃいそうな下駄を履いて 唯一褒めてくれたのは丸い爪に水玉のアート もうはげてきちゃったけどあと少しだけ取りたくないよ 先端のピンクを補修して 願いをこめて『また、会えます様に』 誰にでもこんな表情見せる訳じゃないこと あなたでもそろそろ気づく頃でしょうか いつもと同じよれたTシャツを着て 茶色のありがちなサンダルを履いて だけど待ち合わせの時間には遅れずに来た それだけで嬉しいってヘンなのかな あなたはひとりぐらしだから きっともうすぐ地元に帰るんだね 二度と会えなくなるような錯覚がして あたしは掴んだ服の裾を放せなかったimage=205835424.jpg
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