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昼休み。
同僚の数人と近所の定食屋に行ったあと、時間が空いた。
「さて…どうするかな」
まだ、午後の仕事が始まるまで、だいぶ時間が余っている。
会社に戻った俺は、あいつが同僚と雑談しているのを確認してから、休憩所へ行くことにした。
それは俺にとっては、安心してとった行動だったが、あいつにとっては、ただのチャンスでしかなかったらしい。
結果的にその行動は軽率だった。
油断していたともいえる。
休憩所には丸テーブルが五つと、病院によくあるような長いすが、壁に沿って三つ並んでいる。
普段、丸テーブルのほうは、社員たちが昼食をとるために使い、それなりに賑わっているのだが、今日は一人もいなかった。
同じように、長いすのほうにも誰も座っておらず、休憩所は無人だった。
「珍しいな。ま、静かだしいいか」
俺は自販機で缶コーヒーを買って、長イスに座った。
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