決意

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ふっと笑みを浮かべ 涙を溜めて話してくれた 「なんでだろうね… 私は一生懸命遊くんを 診て助けようとしてるだけなのに…」 …浮かんだのは遊の母親が放った言葉 『夫に頼めば潰せる』 まさか… 「和明君…」 「はい…」 とても重い口調だった 「私は明日警察署にいくんだ…誘拐…の疑いでね」 ポロポロポロポロ 槇原院長の目からまた一つまた一つと零れる涙 「私は一度母親が病院で話をしているとき遊くんを連れ出したんだ… それを今さら持ち出したんだよ…」 遊の母親が何がしたいのかわからない… と考えていた その時だった… 「急患です!!退いてください!」 救急隊員が声を張り上げていた 担ぎ込まれたのは どうやら男性で 出血が酷いようで 見た目で 助かりそうにないと思った よこを駆け抜ける女性 それは 遊の母親 美沙菜さんだった… すると走り出した遊 だが呼んだのは 母親じゃなく 「お父さん!!」 運ばれてきたのが 遊の父親… あぁまた遊に絶望を与えようとするのか 神様よ… 俺は泣きそうだった… 小さい体に背負わされるもの… 残酷過ぎると… すると院長は涙を拭き 深呼吸していった 「ゴメン和明君泣いてる場合じゃなさそうだ…人間どんなに中身が腐ってようが人間は人間 そして私は医師だ 人の命を助けるのが使命 大丈夫助けてみせるよ 私を信じてくれ それじゃあ… 行ってくるよ」 と馬のように 風を切りながら 駆けていった
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