君がくれたもの

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-ピー 「大変です!!心停止しました!!」 「待てよ…遊 遊園地行くんだろ! ライブ見に来てくれるんだろ! 俺達の歌聞いてくれるんだろ!」 「和明!」 「一緒にまた遊ぶんだろ! 逝くな!遊逝くな!」 「和明!!」 -ピー… 「残念ながら…遊君は…」 「遊!!逝くな!ダメだ! 目を開けろ!」 目一杯叫んだ 喉が切れて 血を吐きながら 俺は叫んだ。 嘘だ 昨日まで 元気だったじゃねぇか! 「和明!!!もうやめろ!」 綾がさっきから叫んでいるが 俺の耳には届かない 叫ぶ俺をおさえようとする 離せ…遊は 「るせぇ!離せ!!」 俺は綾の腕を振り切る。 「現実を見ろ!!遊ちゃんは 死んだんだ!! もういないんだ!!」 明輝が泣きながら叫んだ 思樹も泣いている、 美沙奈さんも 槇原院長も 付き添いの看護師さんも そして綾も俺も 「ああぁあああぁあああぁあああああぁ!」 それでも叫んだ 声が掠れる 床に血が飛び散る。 「やめろ…もう叫ぶな 遊が残した詩 歌ってやらなきゃ… 声を潰すな…お前は俺等の盤のヴォーカルだろ? 歌ってやれ…だからもう叫ぶんじゃない…」 思樹が病室の引き出しから 紙を取りだし 俺に渡した。 そして 頭をグシャグシャと撫でた。 「ゆ…ぅ…」 声が出ない 頭が回らない。
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