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『ほら!いけ』
健二の声と共に、今度は体を引きずりだされ玄関の前に投げ出された。
《つめたい・・。》
起き上がると、健二の車が小さく見えた。
《お父さん待って・・気持ち悪いよ・・》
(ウッ!ウェー)
激しい嘔吐が結菜を襲う。雪がしんしん降って、結菜の体温をどんどん奪っていく
手袋をはいていても、寒さで指先が動きずらい、爪先からじんじんとした痛みを感じるほどの冷たさだ。
《お母さん・・寒いよ。助けて・・》
《結菜本当に気持ち悪いよ》
結菜はこの時感じた。
《結局、誰も助けてなんてくれないんだ。》
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