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定時になり帰路につく
なんとなく足取りが重い…。
毎朝毎朝繰り返す変わりばえの無い毎日…
そりゃ真っ直ぐ帰ればゆっくり休めるさ…
でも、帰って寝たらまた明日がくる…そう思ったら自然と足取りも重くなった。
足もついに限界…。
俺はたまたま通りかかった近くの公園のベンチに座り込んだ。
「はぁ…」
ひとつため息をつくと、一気に体の力が抜けていくのが分かった。
家に帰るのも忘れ元気にはしゃぐ子供
ゴミ袋あさって残ってた弁当をたいらげた後なのだろう…。弁当のゴミを横に置いてぐっすりとベンチで横になるホームレス。
俺はそれらを交互に見てボーッとしていた。
やがて空も夕暮れを過ぎ、暗くなった…
公園は人気がまったくなくなり、気がつくと自分1人になっていた。
もうどれだけの時間こうしていただろう。
「さて、帰るか…」
俺は重い腰をあげて、重い足取りで電車に乗った
時間ももう帰宅ラッシュはとうに過ぎていた。
スカスカの電車に座りながら揺られ続けた。
座席は満員だが立っている人間は1人もいない。
朝もこれくらい空いてたらいいのに…なんて思いながら俺はipodの電源を入れた。聞き慣れた曲が流れてくる…次第に俺は眠りについていた。
おきゃ…
ん?
おきゃく…
誰?
「お客さん!!!!!!」
目を覚ますと駅員が目の前に立っていた。
「終点ですよ。車庫に入れてしまうんで降車してください。」
「あ、すいません…」
俺は棚に乗せていたカバンを小脇に抱えて急いで電車を降りた。
「やっちまったなぁ…乗り過ごした…」
その後逆側のホームの電車に乗った俺はやっと家に着いた。
こんな平凡な毎日…。
それが俺の人生…。
「なんとなくな人生…。それでいい。」
俺は改めてそう思った。
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